家事事件実績
<家事・家族・離婚・親子交流事件の私の実績>
母親側代理人。父親が子を連れて四国の実家まで連れ去った事案。現地の家庭裁判所で、監護者指定・子の引き渡しの審判で母親の申し立てが認められる。現地に行って引き渡しの執行を行う。但し、その後父と母は離婚を回避して同居を再開した。期日外に夫の話をよく聞いた事案。
母親側代理人。父親による乳児の連れ去り。監護者指定・子の引き渡しの審判で母親の申し立てが認められ、母親に乳児が戻った事案。
父親側代理人。妻が子どもを連れて別居。妻申立ての保護命令が出されていたが父親の代理人として面会交流申立。妻からも離婚が申立てられて、結局は離婚と面会交流が成立したが、調停合意を超えて、成立後数か月で宿泊付き面会が実施され、定着し、現在は共同養育のような状態になった。追記:間もなく復縁されるというご報告をいただきました。
母親側代理人。夫が子どもを連れて実家へ。調停を申し立て、ほぼ共同養育のような形で調停成立。
父親側代理人。妻が子を連れて別居。母親が保護命令を申し立てたが却下。子どもの虐待を疑われて逮捕、書類送検されたが不起訴。
父親側代理人。妻が保護命令を半年後に更新申立て。この段階で代理人として活動し、当職が代理人になった以外に何も事情が変わらないのに保護命令を出した裁判官が妻を説得して申し立てを取り下げさせた事案。
父親側代理人。暴力が無いのに暴力があると主張して母親が離婚等申立。子どもの学校関係者や医師らが、事実関係を知らないのに裁判所に子どもとの面会に消極の意見を出した。それらの事情の効果を出させず、試行面会を大成功させて、離婚にはなったものの、子どもとの定期的面会を実現させた事案。
父親側継続相談。妻が子どもを連れて別居し、離婚を申し立ててきたが、父親と戦略を練り、争わない対応に終始した結果、面会交流が実現した上、妻と子どもが帰ってきて家族が再生された事案
母親側代理人。母親が精神的問題で単独別居。父親は収入が無く、パートの母親に婚姻費用と離婚を請求した事案。一審離婚認容、子の親権を父親とした。二審から母親の代理人。母親の精神悪化が、時系列的に見て過去の夫の暴行に原因があったことなどを主張するとともに、親子の交流を復活させて、高裁で子どもの親権者を母親に変更して和解した事案。
父親側代理人。実際のDVがあり離婚。父親が反省し、少しずつ代理人と母親の信頼関係を形成し、父親側の祖母と子どもたちの面会を成功させ、10年近くを経て子どもたちと父親の面会を実現させた事例。
母親側代理人。母親に子どもが付いて行ってしまって父親が残された事案。母親の新居を父親宅の近くにして、子どもがいつでも父親に会えるようにした。しかし、父親が傷ついてしまっていて、面会に消極的だった事案。粘り強く面会を求めて、定期的な面会が実現した事案。
<担当した事件が係属した裁判所> 仙台家裁、同すべての支部。札幌家庭裁判所、函館家庭裁判所、青森家庭裁判所弘前支部、盛岡家庭裁判所、盛岡家庭裁判所一関支部、盛岡家庭裁判所花巻支部、山形家庭裁判所、山形家庭裁判所新庄支部、福島家庭裁判所、福島家庭裁判所郡山支部、宇都宮家庭裁判所大田原支部 宇都宮家庭裁判所栃木支部、さいたま家庭裁判所 東京家庭裁判所 松山家庭裁判所等
<相談活動>
継続相談、直接面談、ズーム、WEB等での面談相談も行っています。この相談活動の結果子どもを連れて出言った妻が自宅に帰ることになったという報告をいただきました。
<私の実績の理由>
1子ども利益のために
私が親子の再生事案に強い意識を持って関わることになった最大の理由は、子どもの利益のためです。
別居後、離婚後何年かしてから、子どもの精神への影響は強く出てきてしまうようです。中学、高校時代から過食、拒食を繰り返したり、リストカットをしてしまったりして、極端な引きこもりになり、精神科の入院、退院を繰り返すようになって、成人になった子どもたちを偶々同時期に何人か見たり、学校関係者の方々からお話を聞く時期がありました。そのうちの一人は、父親側の代理人となり母親の関与のない面会交流を実現したところ、お子さんがどんどん安定していって、友達との交流が復活したり、学業に戻ったりして、現在は社会人として活躍されるようになりました。
家族のきずなは、子どもが健全に成長するにあたって必要なことだということを実感しました。その後、色々な研究論文を読んでいくと、私の実感は科学的にも認められていることがわかりました。法律の世界でも、子どもの利益のために親が努力をするべきだということが真理であると定められているのですが、実際の実務では必ずしも子どもの利益の優先という課題が徹底されていません。このため、親子再生について私が取り組まなければならないと考えるようになりました。
ともすれば、子どもの取り合いが両親の感情を高めてしまうことが多いのは致し方ありません。しかし、感情のままに主張をしあうことをしてしまうと、裁判所からはどっちもどっちだという決めつけがされてしまいます。子どもの利益を最優先にすることによって、客観的な主張が可能になり、裁判所を動かすことができるようになります。
国や地方自治体等公的な機関は、子どもの利益を最優先しない政策や家族の分断につながるような政策を行っているように感じられます。子どもの利益を科学的に把握して主張していくことが求められていると強く感じています。
2 不合理な別居親に対する扱い
子どもを連れ去って別居する場合は、特に母親側の場合は夫のDVを理由として主張することが多いです。しかし、その多くの事案で実際にはDVが存在しないことが証拠上明らかになっています。それにもかかわらず、行政や警察の相談では、相談を受けてDV相談になった場合は、相談をしただけで妻を「被害者」と呼び、その夫は「加害者」と呼称されます。行政や司法でも加害者とされた夫は、不合理な不利益を受けます。
法律家として、このような行政や司法の不合理な扱いは是正されなければならないと強く感じています。
また、このような行政など支援は、妻側の心理的状態を悪いままに固定することもあります。公平に、客観的真実に基づいて、関係調整をすることで、両親と子ども、関係者一同が幸せに向かうようになるということが私の結論です。
3 心理学、精神医学、記憶の学習に基づいた関係調整の視点 争いをしない解決
夫婦の間でも、実際の出来事を超えて、自分が攻撃されているように感じたり、相手の行動を恐怖に感じたりすることが多くあります。人間の「恐怖、嫌悪、憎悪、不安」の感情は、必ずしも客観的事実を反映したものではありません。つまり、夫婦関係をこじらせる一番多い原因が、誤解と思い込みだと私は感じることが多くあります。
思い込みを抱かせやすいのは、意外なことに身体疾患です。専門医の説明を受けたり、文献を紹介してもらったりして、理由なく不安を抱かせる疾患や傷害を学習して、思い込みDVなのではないかという視点を持つと、むしろお互いの主張がよく理解できるようになります。
しかし、当事者であり、かつ夫婦という継続的関係にいる者同士は、なかなか自分が攻撃された事実が、誤解や思い込みによるものだということを理解できません。当然だと思います。私ですらそうですから。ただ、このような視点を持つと、無駄に感情を高める必要が無く、冷静に事態をコントロールすることができるようになります。それが理解できないと、こちら側の合理的な対応、正義感情によって相手を余計に感情的にさせてしまう誤りをしがちです。
「思い込みDV」という視点は、相手を攻撃するための視点ではなく、合理的な解決の方法論を見つける視点です。