面会交流と子連れ別居

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面会交流や保護命令、離婚等家族の事件に関するページです。

あわせて、事件から学んだ紛争予防、家族の在り方について考えたことをご紹介しています。

面会交流の実施の意義や方法等について

<面会交流の子どもにとっての必要性>

<定義>
 面会交流は、離婚や別居のため、両親の内一人とだけ同居し、子どもが他方の親と別居している場合に、子どもと別居親とが一緒に時間を過ごすことを言います。

<目的は、子どもの健全な成長のため>

 このような面会交流は、主として子どもの健全な成長のために必要だということが数々の研究で明らかになりました。
 例えば、アメリカの学者であるウォーラースタインとケリーは60組の家族の面接調査を行いました。彼女らの離婚後5年を経た子どもたちへの実証的な研究報告である「Surviving The Breakup」によれば、離婚後の生活によく適応し、心理状態が最も良好であったのは、別れた父親と定期的に交流を持ちつづけていた子だったそうです。父親と定期的に交流して父母双方とよい関係を維持していた子は、他の子と比較して、自我機能が良好で、自己評価も高く、親の離婚が原因で抑うつ状態に陥ることがなかったそうです。一方、別れた父親との接触がなかったり、少なかったりした子は、父親が会いに来てくれないことに失望したり、孤独感や無力感を抱いたり、あるいは、逆に父親に怒りや恨みをおぼえたりする傾向があったとのことでした
 この研究は、60組の家族に実際あって調査をしたものです。ウォーラースタイン博士は、その後25年以上にわたり調査を続けました。それでも、サンプルが少ないという批判はありました。しかし、博士らの調査結果については、後に統計的手法による調査によって裏付けられました。アメイトらの大規模な統計学的手法もとられた研究によって、離婚後の子どもたちが、幸福度が低いこと等が明らかとなり、それらの子どもたちにとって、双方の親との愛着形成が必要であるということが示されたのです。面会交流が行われていない子ども達の負の影響は自尊心が少ないということでした。
 (学説については、家裁月報61 11 「家庭裁判所調査官による「子の福祉」に関する調査 ―司法心理学の視点から」― 小澤真嗣、家裁月報41 8 「子の監護事件に関する面接交渉」佐藤千裕等)

 両親が別居している子どもにとって、別居親との面会交流は、子どもの健全な成長、福祉のために必要な事柄であるということは科学的にはすでに決着済みの事実であり、かつ、このために民法766条は離婚する両親に対して面会交流の定めをするようにと改正されました。

私のブログ記事から
両親が別居してしまった後で、子どもが同居親をかばい壊れていく現象とその理由

<面会交流実現の戦略>


1 同居親に安心感を刷り込む

<問題の所在に向き合う>
 面会交流は、同居親が子どもを別居親に会わせないという硬い意思を持っている場合は実現しません。裁判所を通じて強制執行することも実際は難しいです。なんとか、同居親に、面会交流に応じるように誘導する必要があるということになります。会わせるべきだと繰り返しているだけでは、子どもは別居親に会えません。

<裁判所に味方になってもらう>
 調停委員や裁判官に味方になってもらうということも効果があります。この場合の鉄則があります。「自分が子どもに会いたい」ではなく、「子どもを親に会わせたい」ということです。自分が子どもに会いたいという主張は、ごく自然な主張ですが、効果がないことが多いようです。こちらは会いたい、同居親は会わせたくないで、「どっちもどっち」と判断されてしまう場合があるからです。「子どもを別居親に会わせたい」という主張が効果的な主張です。このために民法改正もしたのですから、ここを否定することはできないからです。

<一番効果的な戦略は同居親を安心させること>
 ただ、それより効果があるのは、同居親に安心してもらうことです。
 同居親が、別居親に会わせたくない理由の大きなものは、自分が別居親と顔を会わせたくないからです。
 なぜ同居親は別居親に会いたくないのでしょう。
 これは、私のブログを参考にしてください。妻は、意外な理由で、実際に夫を怖がっている可能性がある。脳科学が解明した思い込みDVが生まれる原因
 結論だけいいますと、あなたが悪いことをしなくても、特に同居親が母親の場合は、同居時、あなたの言動によって自分が否定されてばかりいたという記憶が形成されているからです。要するに、あなたと顔を会わせると、ダメ出しをされたり、小言を言われたりする、自分が人間として水準に達していないという扱いを受けるのではないかという不安感を抱いている可能性が高いのです。まるで夏休み明けに学校に行きたくない子どものように、実際の二人の関係以上に主観的にあなたに会いたくないという気持ちになっています。会う自信がないのです。別居親は、それに思い当ることは通常ありません。そのような出来事があったという記憶が、別居親にはないからです。不本意でも、同居親の心情はそういうものだということを心得る必要があります。
 安心感を与える必要があるのですから、それと反対の行動をしてはいけません。
 些細なことをとらえて、調停で同居親を攻撃したり、批判することです。家族再生を目指すはずの人も、この点さかさまな行動をする人がとても多いです。自分を攻撃してくる人に安心することはありません。近づこうとはしなくなるものです。
 同居親が一番恐れていることは、子どもを連れて別居したことを非難されることです。ここを消極的にでも受け入れる形を作ることが効果的です。その方法は、婚姻費用を自ら支払うことが最も効果的です。この文章を読んでお怒りになる方も多いと思いますが、同居親が一人で子どもを育てていることに感謝をしたり、子どもに母親の言うことを良く守れと言うことを言うことも効果的のようです。子どもの利益を考えて自分を一時的に犠牲にできるかということが問われているという厳しい状況です。面会交流が実施された時はチャンスですから、丁寧に接することが安心感の刷り込みをすることができるのです。
 話し合いでも、譲れるところは共感をもって譲る形を作る。譲れるところを探して譲る。本当は、自分もそれでいいやと思っていても、同居親がそういう希望であれば、それに従うという譲る形を作るということもテクニックです。
 また、安心感を獲得する方法で効果的なことは、相手の弱さ、失敗、不十分点を責めない批判しない笑わないということです。例えば、約束した面会交流が実施できないと言われた時、「人間だからそう言うこともあると思う。この次はお願いね。」と言えるのか、「決まった約束はきちんと果たせ。いけない理由と証拠を提出しろ」とすごむのかが、その後のお子さんの健全な成長の試金石になるわけです。離婚しても子どもがいる以上家族です。家族の中に正義感を持ち込まず、許せるところは許すという態度が必要な態度ということになります。

2 面会交流は同居親の利益でもある

<同居親の利益を別居親が主張する>
 最近の戦略で効果があったことが実証されているのは、面会交流が同居親の利益でもあるという言いまわしです。例えば近くに住んでいるならば、突然の延長保育は、なかなか保育所では受け入れてもらえないけれど、別居親の家では喜んで受け入れてくれるし、食事もさせてもらった上にお土産までもらえるかもしれない。というと、なるほどそうかもね。と実際に受け入れる事例もありました。わざと相手方の家の近くに別居するという例もちらほら出てきています。
 近くに住んでいなくて、こういうことができないとしても、同居親がなかなかできない事、忙しくてできない事、経済的にできない事、発想が出てこない事をかわってやるという提案ができます。理系の勉強をするとか、スポーツをするとか、スポーツ観戦をするとか、子どものためにいろいろと提案ができると思います。
 また、面会交流の時間を自由に時間を使ってもらうということも提案理由の中に入れてよいと思います。

3 それで同居親が安心するなら自ら面会時の制限を提案する。

<不利益のないサービスは積極的に提案する>
 同居親にとって、面会交流は、自分の子育ての評価をされるような嫌な気持ちになるようです。また、自分の悪口を子どもに言われないかという心配もあるようです。
 同居親の心配をあえて言葉に出して、自らそれをしないという制限事項を提案することはとても有効です。多くの制限事項は、別居親は元々それをしようなんて考えてもいないことですから、制限されても実質的弊害はありません。
 例えば、子どもの受け渡し時間は必ず厳守する。
 子どもに同居親の悪口を言わない。
 面会が制限されている理由を同居親のせいにしない。(お母さんがもっと会ってももいいよと言ったらもっと会えるよ。等お母さんが良いっていったらという言葉は禁句です。これはなかなか気が付かないで言ってしまうことですね。)
 面会場所を移動できる場合は、あらかじめ予定を告げる。
 等々、別居親にとって痛くもないことでも言葉にすることで絶大な力になるようです。

4 安心感の積み重ねで、面会交流が拡大していくものです。


  子どもは別居親との面会で、誰の悪口も聞かされず、ただやりたくてもできなかったことをやれるのですから、楽しくて仕方がありません。子どもが楽しい様子を見ると、同居親もなかなか面会を制限することができなくなっていくようです。
 連れ去りの不安もない、自分をきちんと尊重してくれるという実感が徐々に、面会交流の自由度をあげていくものです。小さく生んで大きく育てると言うこと


 

家事調整センター企画書

家事調整センター企画書

第1 理念など総論


1 意義


家庭裁判所では、調停調書、判決に結実する内容を中心に話が進められる。離婚をするかしないか、親権をどうするか、慰謝料、財産分与の金額ということがテーマとなってしまう。この結果、申立人がどんなところに問題意識や不安があって離婚を志向しているのか、双方の認識や意識のズレがどこにあるのか、本当に離婚は避けられないのかということは話し合いの対象から外されてしまう。また、最も問題が大きいのは、肝心の子どもの将来について、離婚の負の影響をどうやって軽減するかについての話し合いがなされない。来るべき離婚に備えて自分に不利なことは言わないため、真実には近づかない。葛藤が残り、増大していくだけである。
 家事調整センターは、対立構造を極力回避し、当事者、特に子どもの幸福のために、大人として理性的な結論に到達するためのサポート機関である。離婚が決まった際の金額(慰謝料、財産分与、養育費)については、原則として話し合わない。


2 理念


子どもの福祉を第一に考える。物言わぬ子供の将来にとって、合理的な視点から方法論を提案していく。
対立的構造を回避するために、加害者、被害者という考え方を取らない。相手との関係において傷ついていたり、疲弊したりしていることは、相手に害意があろうとなかろうとも生じてしまうことがある。問題は、家族という対人関係において、本来あるべき姿ではないということであり、その場合、家族全体の力を合わせて改善するということである。改善のための原因の探求はするが、誰が悪いかという発想にはならない。一方的な原因ではなく、双方が改善に向けて努力するために、その観点から原因を分析する。
改善行動は苦痛であってはならない。充実した、楽しい家庭生活は、安らぎの場でなければならない。改善に向けた努力は、問題があるから行うのではなく、あらゆる対人関係において意識的に行われることが当たり前のことである。何らかの制裁、償いではなく、それ自体が喜びとなる方法が理想である。改善とは成長である。
このような第三者機関は、これまでなかったものだが、日本においても、古来、仲人やそれに類する第三者、有力者または双方の実家など、第三者がアドバイスをして家庭再構築が図られてきた。現在、実質的な仲人がなく、仲裁を買って出るような人もおらず、破綻に向けたアドバイスが横行している。本来あるべきサポートが自然発生的に生まれにくくなっているのであるから、人為的に、科学的に創設する必要がある。
うまくゆかないのは、何か理由があるという視点が大事である。夫婦は双方を教育して家庭を作らなければならない。こういったメカニズムを踏まえた原因分析、改善方法を検討していく。

3 デメリット及びその回避

最大のデメリットは、一方当事者が申し込んでも、相手方当事者が応じないことである。
 家族再生で言えば、自分に非がないと思っている相手方は、家庭内の事情を話すことへの抵抗や、誰かに援助してもらうということに対して理解ができないかもしれない。
 離婚を見据えた話し合いで言えば、やはり離婚したくない当事者は、話し合いすら拒否することが考えられ、離婚希望当事者はさっさと調停や裁判で離婚を実現したいと思うかもしれない。
また、面会交流の話し合いでは、監護親は面会させたくないし、非監護親は問答無用で自由な面会交流を望むだろう。
 これを解消するためには、センターで話し合うことのメリットを告げて、説得するしかない。また、広報活動を行うことが必要だ。
家族再生で言えば、これを放置することで離婚など家族の別離となる危険が有り、離婚にいたらなくても葛藤の高まりによって当事者だけでなく子どもの成長に影響が生じる可能性がある。離婚で言えば、話し合いにより家族再生の希望が有り、裁判などで形式的に離婚しても、相手方の葛藤が高い時の弊害(離婚後のストーカー、別居を契機としたDV)等を説明し、専門家がサポートした話し合いが尽くされることが離婚後の安定した生活に資することを説明する。また、離婚時には、第三者から見た場合に荒唐無稽に思われるような疑心暗鬼がつきものであり、これが離婚が進まない要因になっていることを説明し、この解消に有効であることを説明する。また、何年もかけて裁判をするよりも、迅速な解決が図られる可能性が高いことも説明する。面会交流も、これが進むことによる子どもの福祉(引きこもり、自傷行為、いじめ、非行等の問題行動の回避、虐待の防止等)はもちろん、双方当事者の離婚後の生活の質的側面を向上させることを説明する。
 要するに、家事調整センターで話し合うことは、全ての人にとってメリットがあることを説明する。


第2 手続き内容など各論


1 取り扱う内容
・ 夫婦関係を中心とした家族関係の調整
・ 婚姻生活の再構築
・ 離婚の話し合い
・ 面会交流の方法及び実施

2 申し込みの時期・・出来るだけ早い段階で

家族は楽しくて当たり前
家庭が楽しくなく、家にいることが苦痛なとき
家族との生活に不安を抱くとき、
家に帰りたくないと感じたとき

自分の状態は自分ではわからない
自分の状態、相手方からの仕打ちに疑問を抱いたとき
病的に実家が恋しくなったとき
口に出して言われないけれど、家族から責められていると感じたとき
無性に誰かに相談したいとき

離婚の葛藤を鎮めるために
離婚を決めたけれど、子どもたちのことを話し合えないとき

3 家庭裁判所との関係

家裁に調停を申し込む前に相談する場合
調停で話し合いが調整できなかったとき
離婚は決まったけれど、面会交流が決まらず話し合いができないとき
面会交流が決まらず、離婚の話し合いが調整できなかったとき(一度調停を取り下げて、家事調整センターで話し合いを行い、金額等について再び調停を申し立てる場合。)

4 スタッフ

弁護士、心理士、ケースワーカー(社会保健福祉士)、
社会保険労務士、行政、精神科医等


第3 類型別話し合いの流れのサンプル    

1 夫婦を中心とした家族再生
2 離婚についての調整
3 面会交流についての話し合い

1 夫婦を中心とした家族再生

<第1日目>
具体的に、経過表に基づいて話してもらう。当事者は、なかなか、どこに不満があるか、言い当てることが困難な場合があるので、親身になって、共感を示しつつ、ポイントを一緒に考えていく。
相談者の、不満、感情の源を相談者に提示してみる。理解が得られたら、その点に至る原因(コミュニケーション不足等)の改善方法を具体的に提案する。→ スタッフカンファレンス
<第2日目>
 前回の改善アドバイスの結果について、聴取する。出来たところ、できないところを評価する。相談者の心理的葛藤も考え合わせ、相手方の呼び出しを検討する。
<中間>
 相手方の呼び出し。調停とは違い離婚を前提としないこと、改善ポイントを考えることによって、充実した家庭生活を送れること。放置することによって、離婚や子どもに対する負の影響が考えられることを説明し、参加を説得する。昔の日本では、仲人などが行っていたことを、人間関係の変化で当センターが行うことなどを説明する。相手が安心して参加できて、改善の意欲を示すように工夫する。申込者の話を鵜呑みにしているわけではないことについても相手に知ってもらう。
→ スタッフカンファレンス
<第3日目>
 相手方との相談。申込者の話を鵜呑みにして、相手方を責めることはしない。むしろ、申立人の改善するべきポイントを、相手と共有する。この時、相手方の欠点という形での説明ではなく、あくまでも行動を改善する方向性ということで説明する。この説明については、事前に申込者の承諾を取る。現状認識と、将来に対する方向性について、共同で行動するという意識の一致は見たい。
→ スタッフカンファレンス
<第4日目>
 双方を前に、これまでのまとめを行い、具体的な行動提起をする。当事者の意見を反映し、より立体的な行動提起を構築していく。できる限り、期間を開けて再来を約束してもらう。どういうところが改善されて、どういうところが難しいか、参考資料にもしてもらい、自分たちの経験を、後輩たちに活かすという視点を持ってもらう。

2 離婚についての調整

<1日目>
 申込者から、経過表に従って説明を受ける。離婚を実現するための機関ではなく、納得ゆく離婚にするために、その原因を相手方にも納得してもらうための手続きであることを説明する。その時、暴力、不貞などの離婚原因が存在しない場合を中心に、離婚を選択する理由を突き詰めていく。場合によっては離婚を思いとどまるよう、提案することもありうることを説明する。スタッフは、申込者の気がつかない真意を探求していくことになる。直接の原因にこだわらず、心理過程の歪みなどにも十分配慮をする。改善方法を提案してみる。認知の歪みによる誤解などが懸念される場合は、それを解消するテスト方法を提案する。自主的に解決できないか試みてみる。
→ カンファレンス
<2日目>
 次回は相手方と話すということを告げて、離婚による子どもへの影響等について、十分な理解を得る。カンファレンスでの指摘事項を伝える。その上で、相手方への要望をまとめる。離婚の意思を確認するよりも、可能性として、どういう場合にやり直せるかという条件を、的確すぎる見通しを排除して、構築してみる。
場合によっては、一度他機関の相談を勧める。臨床心理士や精神科医は、きちんと信頼関係のある紹介先を、紹介状を作成して勧める。場合によっては、
<3日目>
相手方呼び出し。唐突に離婚の意思を告げることは、自棄的態度となることにより、相手方の本心が隠されてしまう可能性を十分考慮する。家族再生について、申込者の現状への理解を求める。但し、この時点で、賛成や全面的な共感は求めない。また、離婚による、特に子どもへの負の影響を重視していることを説明する。離婚を推進する立場ではないことを説明し、合わせて、一方的な非難をする場でもないことを説明して、安心感を持ってもらう。
事実関係について、相手方と確認する。この際、申込者が事実関係を正確に把握できない事情(事態を悪い方に考える傾向等)についても、可能性を聞き出すことも忘れない。
相手方及び申込者の、改善するべきポイントを抽出する。粘り強く話し合うということを確認してもらう。
→ カンファレンス
再生するための条件を抽出し、構築する。提案の仕方、提案後のサポートについても話し合う。
<4日目>
双方呼び出し。
 双方の現状、現状に至った原因、これを放置することの問題点、改善するための条件について提案する。これらは、一本の道筋であるため、それを意識して説明すれば、納得が出来る話だと思われる。
条件を実践できない場合もある。その実践できない理由について、それぞれ個別的な説明の必要があるかもしれない。離婚理由について、できるだけ納得できるようになればベター。
 条件を実践してみるということであれば、報告日を定める。

3 面会交流についての話し合い

<第1日目>
申込者から離婚に至る事情を説明してもらう。但し、この際に、当事者の話を鵜呑みにするのではなく、その背景まで分析的に聴取することが有効である。
面会交流が子どもにとってどんなメリットがあるか、確認する。
面会交流が進まない理由を聴取する。監護親が非監護親と会いたくないのか、連れ去りの不安があるのか、相手の粗暴を恐れているのか。
面会交流をすることによって子どもの心理的負荷が高くなるような場合に該当するか、リスクアセスメントを行う。
どのような面会交流ならば実現できそうか、条件設定を検討する。
→ カンファレンス
リスクアセスメントをして、相手方への働きかけの方法を検討する。
<第2日目>
相手方呼び出し。必要があれば、訪問して説得する。
面会交流が子どもにとってどのようなメリットがあるか説明し、センターが面会交流に積極的であることを理解してもらう。監護親に関しては、最低頭では面会交流が必要だということを理解してもらう。非看護親に対しては、面会交流の希望を持ってもらう。
面会の条件設定、申込者の不安の根源について理解してもらう。
→ カンファレンス
 面会交流のありかた(面会場所、時間、受け渡し方法、双方の準備するべき物、遵守するべき事項)の案を作成する。
<第3日目>
面会交流の条件を提案し、面会日時を定める。
→ 面会交流実施
受け渡し、監督付き面会の場合の監督、面会補助等の補助的業務についても必要に応じて行う。連れ去りの不安が顕著にある場合は、引渡しを確実に行う必要がある。面会場所についてもセンターの自前の施設があることが本来は望ましい。
<第4日目>
今後の面会交流の準則を定める。面会のペース、連絡の方法、諸条件など。また、最長でも1年後には、どちらかが希望すれば、準則の見直しの話し合いを行うこととする。

順調に進む場合を想定している。あくまでも、当事者の個別性を重視して、柔軟にすすめる。旧当事者からの事情聴取など、事例の集積による研究をあわせてすすめる。

平成26年3月7日

このような企画を考えた理由についてのブログ記事
家事調整センターを創りたい 納得できる理性的な離婚と、円満な婚姻生活維持のために
http://doihouritu.blog.so-net.ne.jp/2014-02-11

 


子連れ別居問題 つれさられないために

子連れ別居問題 子どもが連れ去れないために



<典型的な出来事>

ある日夫が仕事から帰宅すると誰も家におらず、
身の回りのものが持ち出され、
妻も子どももどこに行ったか分からない。
こういう相談が増えています。

妻は20代後半から30代くらいの女性
多くは第2子出産後2年以内に失踪
姑との仲は、それほど悪くはなかった
むしろ自分の実母とは折り合いが悪かった。
(特に結婚したころまでは)

定職があり経済的には自立可能
別居後は実は実家あるいは実家の近く
にいる場合が多いのですが、
どこにいるか全くわからないケースも少なくありません。

当然のことながら夫は、
自分が男性として、夫として、父親として
全面的に否定されたという絶望感に陥り、
多くは父親が子煩悩で子どもを可愛がっていることから
絶望と理解不能の状態になります。

妻の実家に向かったら10人以上の警察官に取り囲まれたケース
妻が荷物を取りに家に戻った際に警察官が同行したケース
妻側が刑事事件をでっちあげて警察の捜査が入ったケース等
何らかの形で警察官が介入することもあります。

警察官が介入すると夫は、
自分が犯罪者として扱われているような気持ちになり
絶望を深めるとともに
精神状態に異常をきたすことが多くあります。

夫婦仲が悪かったというようなケースは少なく、
どちらかというといろいろとやりくりして
旅行などレジャーを行い
家族で行動していたケースの方が多いようです。

これとは逆に夫が単身赴任をとか出張が多い等の理由から、
同居時間が極端に短いケースも少なくありません。

新居を建築した直後という場合も多くあります。
お子さんに障害が見つかったという場合も多いです。

<女性サイドの要因>


ざっくりいうと
子どもを産んだ女性は、不安を招く出来事がなくても不安になる。
妻は、意外な理由で、実際に夫を怖がっている可能性がある。脳科学が解明した思い込みDVが生まれる原因
https://doihouritu.blog.so-net.ne.jp/2018-07-17
もっとまじめに考えなければならない産後クライシス 産後に見られる逆上、人格の変貌についてhttps://doihouritu.blog.so-net.ne.jp/2015-10-12
不安の内容は、
  自分だけが損をしている
  自分の親だけが損をしている
  自分が尊重されていない
  姑や夫が理由もなく憎らしくなる。
その結果
不安から解放されたいという気持ちが高まるが
原因が分からないので、解放されたいという気持ちだけが強くなって行く

記憶が変容される。
楽しかった記憶が失われ、
ささいなことも、自分が尊重されていない記憶となり、
特別な悪意の意味付けをするようになってしまう。
虐待されたという記憶に簡単に置き換わる。
但し、詳しい出来事を記憶していない。断片的な記憶だけ。

裁判などの証拠から見ると
例えば、食事を作って、
「この食事は夫から見て不満があるかもしれない」
と思い、夫に対して
「こんな食事はご不満なんでしょ」
と問いかけて夫は沈黙ということが客観的真実なのに、
「自分が作った食事に文句を言われた」
という記憶に変貌しているのです。

また、どう考えても楽しい出来事をつづった日記なのに
自分が夫から虐待を受けてひどく傷ついた
という事実の証明として証拠提出されていたりします。

他者からアドバイスをされてしまうと

夫が不安の原因だと思うことは、
不安からの解放の手段を具体的に手に入れたと思い、
解放の手順、子どもを連れて別居するという方法を
思いとどまることができなくなる。
  現在の日本の夫婦政策は、
  妻が何らかの不安、不満を持っていると
  すべて夫が原因だと決めつけ、
  日常度の家庭にも起こりうる出来事をとらえて
  それはDVですと宣告します。
  そうなれば、子どもを連れて別居することを強く示唆され
  妻が家に戻りたいと言っても
  DVは直らない、命の危険があると長時間かけてでも説得します。
「危険なのは面会交流ではなく、別居、離婚の仕方 先ず相互理解を試みることが円満離婚の早道」
https://doihouritu.blog.so-net.ne.jp/2017-05-11

自分の不安の原因は夫であると固定されてしまい、
自分は、理由なく迫害されていたとの思いが強くなり、
夫から逃げなければならないという意識が反復し、
恐怖を感じる。
この恐怖はいつまでも消えないのです。
「支援による子連れ別居は、女性に10年たっても消えない恐怖を植え付ける  女の敵は女2」
https://doihouritu.blog.so-net.ne.jp/2016-12-10
10年近くたって手紙を書いたら
「近くにお立ち寄りの際はお声がけください」と書いたばっかりに
警察から義務無き事を強要したとして
ストーカー警告を受けたという事例があります。
警察の対応が妥当かどうかはともかく
それを要請せざるを得ない妻側の心理状態に
着目するべきでしょう。

<夫側の対応 疑心暗鬼のスパイラル>

妻は、不安を感じていますから、
疑心暗鬼になりやすくなり、
夫から攻撃されていると思いこむようになります。
「どうせ~~だと思っているんでしょう。」
等の決めつけセリフを吐いてきたり、
些細なことで嫌味を言われたりします。

訳も分からず、自分にかみついてくるのですから
夫も困惑してしまいます。
だんだん、妻から嫌われているのではないか
という疑いが忍び込んでくるわけです。
少なくとも自分は尊重されていないと感じるようです。

こうなってしまうと、
疑心暗鬼の相乗効果が起きてゆきます。

双方言われたことを言い返すようになります。
例えば、読んだ新聞をたたまないのはだらしないと言えば
服をきちんとたたまないでタンスに突っ込んでいるのはどっちだ
なんてことが起きていきます。

益々妻は警戒心を持ち、不安が大きくなって行きます。

<子どもを父親から引き離さないためのギリギリの提案>

1 子どもを産んだら妻は別人になると心得る
2 楽しかった二人の思い出はリセットされると心得る
3 子どもを産んだ妻は、理由なく不安に陥ると心得る
4 それは、子どもを産んだことによるもので、妻に責任がない。
5 結婚前に何でもなかったことも妻を不安にさせる。
6 妻を安心させる行動をとらなければならない。
7 それは、感謝、謝罪をこまめにはっきり口に出すこと。
8 妻の理解不能な言動は安心していない証拠
9 妻の領分には口を出さない
10 妻の失敗、欠点、不十分点を、責めない、批判しない、笑わない。
11 それらを繰り返し実践し、安心を刷り込む。
12 新しい安心の記憶を作っていく。
13 争いごとは極力避ける
14 妻のわがままにはできるだけ対応する
15 正しいからやって良いという考えは捨てる、大事なのは妻の気持ち
16 苦しくなったら、いざとなれば離婚があると頭の片隅に置いておく。
17 苦しくなったら、世の中の男性の悠久の歴史であると考える。
18 苦しくなったら自分だけが苦しいわけではないと考える。
19 妻の笑顔が自分の生きる意味、妻が苦しむ顔はかわいそうだと思う。

 

 

河北新報投稿記事:公的面会交流事業の開始を求める

弁護士 土井浩之
民法七六六条が改正され、離婚をする際には、子どもの面会交流についての取り決めをしなければならないことが明文化された。これを受けて、離婚届の用紙にも面会交流についての取り決めを記載する欄が設けられた。この法律が施行されたのが、平成二四年四月一日からなので、一年が経過した。しかし、現実に面会交流が増えているかということについては、疑問がある。条文の文言が変わっても、面会交流が実現しにくい要因は、多くあるからである。
第一の原因は、離婚協議の当事者のお互いに対する心理状態である。相互に嫌悪感、不信感、恐怖感等があるため、子どもと同居している監護親は、子どもと同居していない非監護親に対して、子どもを会わせたくないという気持ちになることが少なくない。不安感を持つこともある。また、会わせることは仕方がないとしても、相手方と打ち合わせをしたくない、することができないという場合もある。面会交流の場所に、親、兄弟等に行ってもらう場合も多い。しかし、そのような協力者が、身近にいないことも少なくない。
そのままだと、特に子どもの年齢が低い場合は、面会交流は実現しない。事実上あきらめてしまう場合が多いが、無用なトラブルの原因になることもある。
面会交流が実現しにくり理由の第二として、調停等の協議で離婚をする場合でも、離婚やお金のことで精一杯で、子どもの面会交流を実施について、あまり具体的な取り決めをしない場合が多いことも、面会交流が進まない理由となる。子どもの親どうしとして新しい関係を構築する場になっていないのである。
一方、面会交流が実施される必要性は大きい。
 それは、子どもにとって利益があるからである。子どもは、特に年齢が低いほど、自己中心的に物事をとらえる傾向がある。「親が離婚したのは、自分が良い子でなかったからだ。」と考えてしまうわけである。「親と会えないのは、自分が親に愛されていないからだ。」ということも無意識に感じかねない。これに対して、定期的に非監護親と面会し、きちんと養育費が支払われることによって、子どもは、「両親の間には事情があって離婚になったけれど、非監護親も、自分のことを気にかけてくれている。」ということが実感でき、自信を持ち、気持ちが安定し、他人と調和していくことの後押しになる。
 非監護親の子どもに会いたいという気持ちは、時代を追って強くなってきている。近時、面会交流をめぐる裁判例も増えてきている。また、子どもを失ったという喪失感は、非監護親に対して深刻な影響を与える。そういう場面に、弁護士としての仕事をしている関係で、何度か立ち合ったことがあった。監護親にとっても、非監護親が定期的に面会し、親としての自覚を維持することが、例えば養育費の支払いに寄与したり、自分ができない教育等を非監護親に面会交流を利用して行ってもらうというメリットも、実際に、よく見られる。
このように面会交流は、必要もあり、メリットも大きいが、親どうしの不信感等があって実現が困難な状況もあるわけである。考えてみれば、当事者どうしで解決できないことがあったために離婚に至ったのであるから、それはついてまわる宿命みたいなものかもしれない。しかし、親の事情を子どもに押し付けるわけにはゆかない。子どもには、非監護親からも養育される権利がある。
この困難な問題を解決するのが、面会交流支援事業である。東京都では、既に始められている。専門家の関与の上での面会交流が必要となるが、個人や商業ベースでは限界がある。自治体の公的事業にふさわしい事業である。自治体が支援事業を行うことは、面会交流の必要性を啓発することにつながるし、当事者にも安心感を与える。子どもは国の宝である。事情があって親の力が及ばないところがあるなら、自治体は積極的に援助するべきであると思う。是非、宮城県、仙台市においても、公的な面会交流支援事業を始めていただきたい。



平成25年4月23日 河北新報掲載