職場の紛争について

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労働者の皆様向け

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1 パワハラを受けている人は、自分が
  パワハラを受けている、理不尽な扱いをされている、
  人間に対して失礼な対応を受けている
 とすぐには、気が付きません。

私が、その話を聞くと、
「ただ、いたぶっているだけだろうそれは!」
と感じる上司の言動も、

実際にパワハラを受けている人には、
最初は理不尽な思いをしていても
徐々に、まともな話として受け止めてしまい、
いつしか、「自分が悪いからだ」と思うようになるようです。

例えば、
検印の為に上司に書類を提出するとき、
「お前、始業直後に持ってくる奴があるか、
この時間、お茶を飲んで、部屋の様子を見てから
俺が仕事を始めるのをいつまで経ったら覚えるんだ。」
「こんなの、俺の孫だって知ってるぞ。」
なんて言われているとします。

私がその話を聞けば、
お茶だろうと何だろうと、
そんなところまで部下が気にする必要はない。
飲むときと飲まない時があるだろうし、
だいたい部下は孫じゃないんだから、
そこまで気を使う必要無し!
と即断できる話です。

ところがこんなことを、毎日毎日繰り返されると、
「自分に観察力が無い。
自分は配慮の足りない人間なのかもしれない。」
と思ってくるそうです。

そんなことはありません!
ただの言いがかりです!

貴方は判断力が鈍ってきているのです。
一種の洗脳です!
  あなたは理不尽な扱いを受けているのです。

2 パワハラ上司の特徴は、不安です。
  自分に服従しない部下がいると怖いのです。
  人間関係は、支配と服従でしか安定しないと思っています。

パワハラ上司は、自分の上司が来ると
一瞬で手のひらを返して、茶坊主になります。
顔つきまで一瞬で変わる俊敏性があります。

部下に説明をさせないというのも
パワハラ上司の特徴です。
自分の言ったことを、否定されることが怖いから、
それは言い訳だと言って、相手を否定し黙らせます。

しかし、言い逃れと説明は違います。
説明は悪いことではなく業務上必要なことです。
それを言い訳ということで、黒く塗りつぶし、
自分への抵抗だと決め付けるのです。

大声を出すことも、反論が怖いためです。
内容がないから大きな声を出すわけです。
大声で叱責を続けていくうちに、何がなんだかわからなくなって、
同じ話を繰り返したり、
言葉が荒くなったり、声のトーンが高くなったりしていきます。
「このやろう」、「どうするんだ」等意味のない言葉が増えます。


3 パワハラ上司のパワハラは、結構どこでも同じことをしています。
  まず、長時間ねちねちといたぶり続けます。
具体的なミスに付け込んでという感じです。
夫婦喧嘩のように、何年か前に事をほじくり出して、
一事が万事とか言っているようです。

具体的なミスには、具体的な改善の指示が必要十分な行為です。
そんなことは、パワハラ上司はしません。
会社のためでなく、自分の不安を解消させるためのパワハラだからです。
5分を超える説教と、過去のほじくりは、
単なる嫌がらせの可能性があります。

4 パワハラ上司の行動パターンは、
  部下を否定して、自分を安心させるというところにあります。
その部下にとって不可能だと思うことを、あえてやらせます。
若手の人であれば、
パソコンを使わないで始末書を書かせ、
訂正印を認めず、一文字でも間違いがあれば、全部書き直しです。

逆に年配の人であれば、
パソコンを使えるようになった方がいいとか言って、
パソコンで書かせているのです。

若い人は、ああ反省だから手書きかなとか思うわけです。
しかし、業務上は、内規が無い限り、
効率ということも考えなければなりません。
要は再度誤りを犯さなければよいのです。
誤字脱字等形式を気にしすぎると、反省の実質が失われていきます。

要は嫌がらせなのです。

パワハラ上司は、
何か決めるときは休みでも相談してからにしろと言いながら、
実際に相談すると休みなのになんで相談すると言い、
では決めごとをすると何で相談しないと言い、
いずれにしても不可能を強いるわけです。

5 パワハラが続くと
言われないようにしたい、
どうやったら言われなくなるか
という発想になるのは、情において理解できます。
しかし、それが洗脳なわけです。
いつしか、上司の価値観に追随していきます。
価値観というより、正確に言えば、性格、気分感情なのです。
仕事上何の意味もない追随です。

そうして部下は、何も語らくなり、沈黙を好むようになります。

6 パワハラが続くと、上司が偉く思えてきます。
上司は弁が立つということも錯覚です。
身分の上下をいいことに、
部下に説明を許さず、とうとうと話を続けるということは、
弁が立つのではなく、相手の弱点を探し、どういったらより傷つくか
試しながら話しているだけの、性格、人格が異常というだけです。

7 パワハラ上司は部下同士を対立させようとします。
連帯責任という言葉が好きで、
同僚を叱らせようとするわけです。
自分が反撃されるのを実は恐れているわけです。

8 パワハラが辛いことは
同僚の前で嫌味を言い続けられることです。
人格を否定され続けられることです。
これが非常につらいことです。
言われている方は、これまで長年築いてきた人間関係を
一気に失うと感じるそうです。

でも、
大丈夫です。同僚が助けてくれなくても、
あなたが悪いのではないということを一番わかっているのは同僚です。
洗脳を受けるくらい近い所にいるあなたよりも
少し離れた同僚の方が、
パワハラの理不尽さをよくわかっています。

だから、
信じられる職場の同僚に、
愚痴をこぼすことは大変有益です。
愚痴をこぼす人がいるかいないかで、
うつ病や自殺のリスクが大きく左右されるようです。

同僚の人も、
直接助けてあげることができなくても
ただ声をかけて、
愚痴をきいてあげるだけでも
大変な助けになるわけです。

どんどん言葉で愚痴を言ってください。
どんどん愚痴を聞き出してあげてください。
あなたは悪くないよと言ってあげてください。
  言葉が大切なのです。

9 だから、パワハラの対処は
第1に、仲間を作ること
仲間も、一緒に戦う仲間を最初から目指さなくてもいいのです。
まず、自由に話ができる相手が必要です。
明日は我が身だと思う同僚、正義感の不完全燃焼の人は、
まず、話を聞いて、言葉であなたは悪くないと言ってください。

  「半沢直樹」の最大のポイントは、倍返しではなく、
  横のつながりで、窮地を脱したというところなのです。

  第2は、家族です。
  心配をかけたくないということで、
  事態が重症化したということが多くあります。
  相談をすることで、客観的にものが見られるようになるかもしれません。
  最悪の場合でも、会社を辞めればいいのです。
  ある程度、最初から話をしておくことが有効です。

10 誰も話ができる人、愚痴を言う人がいない場合は、
弁護士など守秘義務のある人に話をしてください。
過労死弁護団、労働弁護団等専門家集団は、
そういう事例をたくさん見ていますから、
お話の内容をすぐ理解するでしょう。

無料の電話相談も良く行われています。

パワハラの話は労災問題なので、
私の事務所は初回相談は無料です。
(何回目まで「初回」かはケースバイケースです)

弁護士はどうもというのであれば、
これは人権問題なので、
法務局の人権相談に電話することも、
最初のとっかかりとしてよいと思います。

そうして、こういうパワハラを受けていて
上司が能力があるのに自分はできない人間だと
思わされているような場合、
医師による治療、カウンセラーによるカウンセリング
が必要な場合があります。

弁護士や専門家が治療のアドバイスをした場合は、
本当に病気になってしまわないように、
  治療やカウンセリングを受けてください。

  あなたの人生は、まだまだこれからです。
  これからのために、精神的な体力が必要です。

録音テープを突きつけて
裁判等を起こすという荒療治が必要かもしれません。

うつ病になったり、自死したりしてからでは遅すぎますし、
嫌がらせをされるために仕事をしているわけではないのですから、
これを放置することは、明日は我が身なのです。

(平成23年6月のブログ「弁護士の机の上」から加筆修正)

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